こんにちは!名古屋・柳橋市場のマグロ屋、大伸のオヤジです。
今日は「今、何のマグロが美味しいの?」という質問に、ズバリお答えします。
答えは、千葉で水揚げされる巻き網のキハダマグロです!
これがね、今めちゃくちゃ脂がのっていて美味しいんですわ🐟 市場で毎日マグロを見ている私が言うんだから、間違いありません。
銚子の巻き網キハダ、今が当たり年
こちらが今日入荷した、千葉県銚子産の巻き網キハダ。どれも60キロ前後の立派なサイズです。
断面を見てください。

キハダというと「赤身があっさりしたマグロ」というイメージがあると思いますが、今の時期の千葉のキハダは別物。腹側にしっかり脂がのって、身もキメが細かく、口に入れるととろっとします。
前に「夏こそキハダの脂物を狙え」という記事を書きましたが、まさに今がその本番です。
なんで今、千葉のキハダは脂がのるのか?
正直に言うと、私も「美味しい」のは毎日触っていてわかるんですが、「なんで脂がのるのか」は感覚でしか知りませんでした。そこでちょっと調べてみたら、理由が3つ重なっていることがわかりました。
① キハダは黒潮に乗って北上してくる魚
キハダは水温20〜30℃の暖かい海が好きで、夏から秋にかけて黒潮に乗って北上してきます。千葉の房総沖は、南からの黒潮と北からの親潮がぶつかる「潮目」で、餌がとても豊富な海域。北上してきたキハダがちょうど今、千葉沖にたどり着いて、たらふく食べている時期なんです。
② 今年はイワシが歴史的な大豊漁
2026年はイワシが全国的に記録的な豊漁で、銚子港が水揚げ日本一に返り咲いたそうです。しかもイワシ自体が夏から秋に一番脂がのる時期。キハダの主食はイワシですから、脂たっぷりのイワシを食べ放題 → キハダも脂がのる、というわけです。これが今年特に美味しい一番の理由だと思います。
③ 巻き網だから「餌を追っている群れ」がそのまま獲れる
巻き網は、イワシなど表層の群れを網で丸ごと囲む漁法です。イワシの群れを追いかけて沿岸に寄ってきたキハダが、そのまま群れごと獲れる。つまり巻き網のキハダは「今まさに餌を食べまくっている、太った個体」なんですね。沿岸で獲れるので、水揚げまでが早いのも鮮度の点で有利です。
ただし、巻き網ならではの注意点もあります
ここからはプロとして正直に書きます。巻き網のキハダは、延縄(はえなわ)で1本ずつ釣るキハダと比べて、気をつけないといけない点があります。
ひとつは「身焼け(ヤケ)」。 網の中でマグロが暴れると、体温が上がって身が焼けたようになってしまうことがあります。群れごと網で囲む巻き網では、これがどうしても一定数出ます。身焼けについては前に詳しく書いたので、そちらも読んでみてください。
もうひとつは「色変わりが早い」こと。 今の時期は水温が高いせいか、切った後の色の変わりが早い個体があります。せっかく脂がのっていても、色が悪いと食欲がわきませんからね。
だからこそ、1本1本ちゃんと見て選ぶのがマグロ屋の仕事。良い個体を選んで、お客さんに出す。そこが腕の見せどころです。
今だけの味、ぜひ食べてみてください
千葉の巻き網キハダが脂のっているのは、この時期だけ。しかも今年はイワシ豊漁という追い風つきです。
「キハダはあっさりしてるから…」と思っている方こそ、今の千葉のキハダを食べてみてほしい。本マグロとは違う、でもちゃんと「脂がのったマグロ」の美味しさがあります。
柳橋市場にお越しの際は、ぜひ大伸で「今の千葉のキハダ、ありますか?」と聞いてみてください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。大伸のオヤジでした!


コメント