こんにちは、柳橋市場のマグロ屋・大伸のケンです。
最近、メバチマグロが美味いんですわ。
特に宮城県の塩釜に揚がるメバチ。この時期のは本当に脂がのってます。
なんで今の時期の塩釜のメバチは美味いのか?
塩釜の秋のメバチには「ひがしもの」という名前がある
塩釜では、秋から冬に揚がる生のメバチの中でも、特に良いものを「三陸塩竈ひがしもの」と呼んでいます。2006年に商標登録されたブランドマグロです。
名前は、昔からマグロの仲買人さんたちが、秋に三陸の「東の沖」で獲れる脂ののったメバチを「ひがし」「ひがし沖」と呼んでいたことから来ているそうです。
「ひがしもの」と名乗れるのは、こんな条件をクリアしたものだけです。
| 漁場 | 親潮と黒潮がぶつかる三陸東沖 |
|---|---|
| 漁法 | はえ縄 |
| 時期 | 9月なかば〜12月 |
| 重さ | 1本40kg以上 |
| 状態 | 冷凍していない生だけ |
| 目利き | 塩釜の仲買人が「鮮度・色つや・脂のり・うま味」を見て認めたもの |
仲買人さんが「これは自信を持って出せる」と思ったものだけ。プロの目が入ってるのがいいですね。
なんで今の時期のメバチは美味いのか
① エサをたらふく食べている
9月ごろになると、三陸の沖にサンマやイワシなどの小魚が集まってきます。メバチはそれを追いかけてきて、たっぷり食べる。
だから良い脂をため込んで、赤身にまで脂が回るんです。
② 海が冷えて身がしまる
三陸の沖は、北からの冷たい親潮と、南からの暖かい黒潮がぶつかる場所。「世界三大漁場」の一つと言われています。
秋から冬にかけて、この潮目の水温が下がると、魚の身がしまって脂のりが増すそうです。
エサが多くて、水が冷たくなる。マグロにとって一番「太る」季節というわけです。
マグロ屋の間では、脂ののったメバチを「脂バチ」と呼んだりします。本マグロに負けない、と言う人もいるくらいです。
写真のメバチは、千葉県銚子産の96kg
アイキャッチの写真は、先日入ったメバチ。塩釜ではなく千葉県銚子産、96kgです。メバチでこの大きさはなかなかの大物ですよ。
断面をよく見てください。お腹側(写真の右下のほう)に白いスジがたくさん入ってるのがわかりますか?これが脂です。赤身の色もきれいでしょう。
銚子の沖も、黒潮と親潮がぶつかるあたりの海。夏に書いた銚子のキハダの記事でも、脂ののりを紹介しました。秋の銚子は、メバチもいいんですわ。
ちなみに、メバチとキハダの見分け方はこちらの記事で書いてます。答えは「目」です。
まとめ
- 秋から冬のメバチは、エサをたっぷり食べて、冷たい海で身がしまるから美味い
- 塩釜では、特に良いものを「三陸塩竈ひがしもの」と呼ぶ(9月なかば〜12月)
- 写真は千葉県銚子産の96kg。お腹側に脂のスジがびっしり
秋はサンマや新米だけじゃなく、メバチも旬です。ぜひ柳橋市場で、秋の「脂バチ」を味わってみてください。
参考:ブランド魚・三陸塩竈ひがしもの(塩釜市魚市場)/三陸塩竈ひがしもの(塩釜水産物仲卸市場)/旬の食材 メバチマグロ(仙台市中央卸売市場)


コメント