こんにちは、名古屋・柳橋市場のマグロ屋、大伸のケンです。
「マグロって、どうやって買ってるの?」とよく聞かれます。答えは「競り(せり)」。毎朝、競り場にマグロがずらっと並んで、マグロ屋が集まって買っていきます。
今日は、ふだんお客さんが見ることのない、競りの中の話をします。

まずは尻尾を見て「相場」を決める
写真の奥の列を見てください。マグロの尻尾が切ってあって、赤い断面がこっちを向いていますよね。
マグロはお腹を開けて中を見ることができません。だから私たちマグロ屋は、この尻尾の断面を見て、色や脂ののりを読みます。そして競りが始まる前に、「この魚ならいくらまで出せる」と、一本ずつ自分の中で相場を決めておくんです。
尻尾のどこを見ているのかは、「同じキハダマグロでも個体によって全然違う!」や「マグロを切ってすぐは色が悪い?」でくわしく書いています。ただ、尻尾だけでは見ぬけないこともあって、それが「身焼け」です。
欲しい魚の番が来たら、手を上げて買う

競りが始まると、マグロが一本ずつ順番にかけられていきます。自分が欲しいと思った魚の番になったら、手を上げて値段を出します。
もちろん、良い魚はみんな欲しい。欲しい人が何人もかぶります。そうなったら、いちばん高い値段を出した人に落ちる(買える)。これが競りのルールです。
「入れ札」とちがって、ほかの人の手が見える
競りには、紙に値段を書いて出す「入れ札(いれふだ)」というやり方もあります。入れ札だと、ほかの人がいくら書いたかはわかりません。
でも、手を上げる競りはちがいます。ほかの人が出している手も、ぜんぶ見えちゃうんです。
たとえば、自分は「この魚は1,000円で欲しい」と思っていたとします。ところが、だれかが1,100円を出している。そうしたら、こっちは1,150円とか1,200円に上げて取りにいく…なんてこともあります。
市場で嫌われる「擦る(する)」ってなに?
このように、ほかの人の手を見て、ちょっとだけ上の値段を出して買うことを、市場では「擦る(する)」と言います。
たまにならいいんですが、しょっちゅうやっていると…嫌われます(笑)。せっかく良い魚を見つけて値段を出したのに、横からちょっと上で持っていかれたら、そりゃあ面白くないですよね😅
ただ、本当に人の手を見てから擦ったのか、それとも最初からその値段をつけていたのかは、本人にしかわからないんですけどね。
毎朝の競りで選んだマグロを、お店に並べています
こんなふうに、尻尾を見て、相場を決めて、手を上げて…と、毎朝の競りで一本一本選んで買ったマグロを、大伸のお店に並べています。
お店に来たら「今日はどんなマグロ?」と気軽に聞いてください。競りの話も、よろこんでしますよ🐟

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